江松城 | 信長に仕えた土方治兵衛の居城
名古屋市中川区にある江松城址は、織田信長に仕えた土方治兵衛という人の居城といわれます。
歴史
城主の土方治兵衛については謎が多く、天正二年(1574)に信長の命で助光の称円寺を焼き払ったという事しかわかっていません。
また【尾張志】には、『信長の孫である織田秀信(三法師)の家臣に土方という尾張出身の者がいたが、その親類かどうかわからない』という様な記載があります。
お城の規模は東西約54m、南北約63mほどだったそうです。
感想
江松城があったとされる場所は2つの説あり、ひとつは隋縁寺の西の五本松あたり。
以前は『松』も五本あったそうですが、台風で枯れてしまい、今では四本松になってしまいました。
もうひとつは秋葉神社がある、字城屋敷一帯です。
愛知県中世城館跡では、江松城跡があった場所を『城屋敷』と記載してあるので、こちらが有力候補でしょうか?
どちらの候補地もそんなに距離が離れていないので歩いてお城の遺構らしきものを探したのですが、これといって見つかりませんでしたが、気付いたことがひとつありました。
というのも、どちらの候補地も現在の新川と戸田川に挟まれた場所にあり、周辺は平地なんです。
これは私の推測ですが、もしかすると戦国時代から現代まで400年近く経っているので、洪水などの河川の氾濫により、この地の地形も変わってしまったのではと思います。
そうすると、かつての江松城の遺構も残っていないのも無理はないと思いました。
あとお城址近くには、遺構は残っていなくても関連地名みたいなのが残っているケースがありますが、それらも残っていませんでした。
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