波城 | 松井忠次で有名な松井氏のお城
西尾市吉良町の波城跡は、松井忠次で有名な松井氏のお城です。別名・松井城、または羽城とも。
歴史
西尾市吉良町小山田は松井氏発祥の地という事で、松井氏はこの地の豪族でした。忠次はその十代目です。
文明七年(1575)饗庭城の石川妙鶴丸が滅びると、饗庭も松井氏の所領となりました。
その後、松井氏は家康の家臣となり、各地を転戦、戦功を重ねます。その甲斐あって家康から『松平姓』を賜り、江戸時代になると松平を名乗りますが、明治以降は松井姓に戻りました。
感想
波城の由来について。築城したばかりの頃は海を見下ろす事ができ、波の音がよく聞こえたので『波城』という名がついたとか。という事は、波城の近くまで海だったのですね。
さて、そんな波城ですが、現在は大字小山田の民家の裏山となっています。比高35m程の小山なので、比較的楽に登る事ができます。
中に入ると人工的な削平地が続いていますが、下の畑とほぼ同じ幅。どうもこれは段曲輪ではなく後世の『段々畑』の様な気がします。
中もずっとこの様な感じが続きますが、頂上付近に気になる高まりがありました。櫓台チックな高まりですが、お城のものかどうかは不明です。
あと所々に石垣の様な石積が見られましたが、時代的に石垣のお城ではなく、ひょっとして後世に改修されたのかも?と思いましたが、その様な記録も見当たりません。
【愛知県中世城館跡調査報告U三河地区】にもこの石垣の事は一言も無いので、お城の石垣ではなく、 後世の畑の石垣だと思います。
山の中に入るとまず目に入るのが段々な地形。不自然すぎるほど続いており、曲輪ではなく、畑の様な気がしました。
頂上付近にある独立した土盛。縄張図でも確認できます。
これが例の石垣。たしかに石組ですが、時代的にもお城のものがどうかは不明。
愛知県中世城館跡調査報告U西三河地区より
作図者 石川浩治 氏
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