荻城 | 松平氏に仕え一向一揆の時に離反した内藤清長の居城跡




荻城 | 松平氏に仕え一向一揆の時に離反した内藤清長の居城跡

 

 

愛知県額田郡幸田町の荻(おぎ)城跡は、松平氏に仕え一向一揆の時に離反した内藤清長の居城跡です。

 

 

 

 

 

歴史

 

寛正元年(1460)頃、内藤氏が京都よりこの地に移り住み、屋敷城を築いたのが始まりです。

 

 

この内藤一族で有名なのは内藤清長という人で、清長は三河一向一揆の際に一揆方として、家康軍と戦いました。

 

 

一揆方の敗北後は死罪は免れたものの、この地で蟄居の身となり、永禄七年(1564)に亡くなりました。しかし子孫は明治時代まで代々この地に住んでいたそうです。

 

 

かつては古木と堀跡があり、西堀という字名でしたが、明治三十八年の土地整備で堀が埋められ、字名も城跡に変わりました。

 

 

 

 

 

 

 

感想

 

かつての荻城は水田と化してしまい、お城の遺構は残っていませんが、清長の没後四百二十三年後の昭和六十二年に地元の荻郷土史研究会の有志の方達によって、石碑と供養塔が建てられました。

 

 

私の感想ですが、荻城の内藤氏は歴史の表舞台から消えましたが、こうしてお城跡の石碑が建立されると、郷土史の面白さも増えると思います。

 

 

その理由は、例えば三河一向一揆の場合、勝った徳川方だけではなく、一揆方に付いた徳川家臣の研究も必要だからです。

 

 

本多正信や渡辺守綱といった、後に名を馳せる武将は歴史にも残りますが、同じく一揆方に付き、名を馳せることもなく歴史から消えた土豪も少なからずいたのです。

 

 

なので、内藤清長もその居城だった荻城も、こうして地元の郷土史家会の方々が顕彰することにより、忘れられることもなく、語り継がれる存在になるのだと思いました。

 

 

所在地  幸田町大字荻字城跡

 

立地  平城

 

築城時期 ?

 

築城者  内藤清長

 

主な城主  内藤氏

 

現状  水田

 

地図


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