沖村城 | 織田家四家老筆頭の林道勝の居城跡
愛知県北名古屋市(旧西春町)の沖村城跡は、織田家四家老筆頭だった林道勝の居城跡です。
歴史
林道勝(秀貞とも)は、織田信長が元服する時に付けられた四家老の筆頭です。つまり家老の中でも一番エライ人!
信長付きの家老でしたが、その『うつけ』ぶりに織田家の未来は無いと感じ、柴田勝家らと共に弟・信行(末森城主)を織田家当主に立てる事を画策します。
しかし信長打倒を宣言したまでは良かったのですが、稲生ヶ原の合戦等で、こてんぱんに敗北、降伏しました。
その後、家老職は奪われず、おとなしく過ごしていましたが、ある日突然不幸に!!
なんと稲生ヶ原から24年後の天正八年(1580)に織田家追放になりました。
理由は『昔、俺に逆らったから』とのことでした。
追放された後の道勝は京都や安芸に移住し、追放から二カ月後に亡くなりました。
感想
林道勝は、ある意味、悲劇の武将でもありましたね。
彼の屋敷跡の石碑が、北名古屋市(旧西春町)の松林寺にありました。
この石碑はお寺より50m程北にあったものを、ここに移したそうです。現在では完全なお寺でお城としての遺構はありません。
石碑には林道勝邸趾とありますが、当時の武将は周辺地域の有力者でもありましたから、屋敷の周辺を堀と土塁で防御を固めた館城でもありました。
城郭研究では、こうした武将の館跡もお城として研究されています。
私の感想ですが、この沖村城は遺構は残っていなくても歴史で楽しめる場所だと思いました。
なぜかというと、林道勝は歴史上で、ある意味有名ですし、信長の尾張時代には必ず登場する人物だからです。
大河ドラマなどにも何度も登場している武将なので、彼のゆかりの地がココだと思うと、また歴史を楽しめますね。
遺構は残っていなくても歴史を楽しむ事ができるポイントも、お城巡りの魅力のひとつです。
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